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とんスポ

175号:東北学生選手権

2015 年 7月 22日 発行

「経験」という理由づけでただ単に出場しただけになった一年生時の那須塩原でのインカレ予選。「圧倒的な実力差」を見せつけられた二年生時の七ヶ浜でのインカレ予選。そして今年、三度目のインカレ予選がやってきた。昨年の惨敗を機に、一からやり直す覚悟で練習に取り組み体を仕上げてきた。やれることはやったつもりではあったが内心は不安でいっぱいであった。二か月前のスプリングでの不甲斐ないレースをなかなか頭から払しょくすることができずにいた。しかし、時間は待ってくれない。スタートまであと少し。緊張が高まる。応援団の演舞中も呼吸が浅くならないように深呼吸を繰り返していた。

 スタート位置に着く。前から二列目の真ん中あたりだった記憶が。午前8時2分、定刻通りにスタート。やはり最初のバトルで呼吸が辛くなり遅れをとってしまった。しかし今回は何かが違った。気持ちの切り替えが思った以上に早かったのである。「まだ100mやそこらしか泳いでないんだぞ。ここから頑張ればいいじゃないか」と。それからは順調に泳いで自分でも楽しくなってきたころで井村さんに追いついた。まだ一周目のことである。珍しく余力のあった自分は「よし、もっと前をいこう」と調子に乗ってきたのであるが、その矢先にあるトラブルが起きた。スイムキャップが取れかかってしまっているではないか。今考えれば、ペナルティーの確率は低いのだからキャップなんか海に置いてきてしまってもよいのであるが、この時の自分はやたらペナルティーを気にしてしまい、止まるような形で丁寧にかぶり直してしまった。大分時間をロスしたという罪悪感といつかまたキャップが取れるのではないかという不安で、残りの一周は泳ぎに集中できなかった。結局井村さんとほぼ同時にスイムアップ。「でも悪くはないか」と思っていたらなんとその前に片山の姿が。そしてトランジットに行くと藤田の姿が。「結局またOWでやらかしたんだな...」と悟った。

 バイクコースに入ってすぐに片山を抜かしたものの、その前の人の背中は遠く感じた。先にスイムアップした人とすれ違う時、おそらく彼らは「また増田OWでやらかしたな」と思っているのだろうと勝手に感じていた。そして明らかに自分はボーダー下であることを確信した。案の定バイク途中にマネさんに「18位」と言われ、「あー18位かー」と渋々納得した記憶がある。それでもあきらめずに前を追いかけ続け、なんとか藤田をとらえて引き離すことに成功。「これはラン勝負だな」と思い、ランに備えて塩分タブレットを食べ、ボトルの水をいつもよりも多めに取ってトランジットへ。マネさんに伝えられた順位はまたもや「18位」。数十秒後に自分よりランの速い藤田や淺野が控えている中で、この状況はまずいのではと思いながらランコースに向かった。

 案の定藤田にはすぐ抜かされたが、抜かされた後にさほど差は広がらなかった。というよりは自分が今までで一番いい走りをしているという印象だった。昨年の予選から体重を5kg落とした成果なのか、坂に対するイメージがガラッと変わり、すいすい登れるようになっていた。「まだ勝負は終わっていない」、そう思いひたすら懸命に走った。すると最終周に入るころにはボーダー内に入っていることが判明。これまでのどのレースよりも速く走っているはずなのに自然と笑顔になる余裕ができた。あれがランナーズハイってやつだったのかもしれない。「早くゴールしたい」、その一心でゴール前までたどり着いた。「ボーダーギリギリで順位が一つでも間違っていたら...」なんてことを少し考えてしまっていたが、ゴールで待っている応援のみんなが明らかに笑顔で待っているので、みんなを信じて自信を持ってゴールすることを決意した。「自分が通過してもよいのか」なんていう疑問はまったく生じなかった。「インカレで戦うんだ」、そう自分に一度言い聞かせてゴールに飛び込んだ。飛び込んだ先には藤田がいたのでそのまま抱き付いてしまった(笑)。その後もみんなに「おめでとう」と言ってもらい、そう言われる度に「インカレ予選通過したんだな」と感じた。こうして2時間11分49秒の戦いが幕を閉じた。もちろん自己ベスト、そして初のランラップ40分切りをこの七ヶ浜で達成できたことによる自信は非常に大きい。

 インカレは8月30日。この日までの一日一日がインカレにつながるという気持ちでこれからの一か月半を過ごしていこうと思う。応援してくださった方々、本当にありがとうございました。インカレでも応援よろしくお願いします。

文責:増田 涼佑

 7月5日に七ヶ浜で東北学生によるインカレ予選が行われた。まずその1週間前に行われた酒田のおしんレースと絡めて振り返っていきたいと思う。

 おしんは1年生にとっては初めてODを経験する舞台となるはずだったがあいにくの波の高さでデュアスロンとなってしまった。七ヶ浜の前にOWを経験しておきたかったがそれは叶わなかった。そしてなによりこのレースで初めて足をつることを経験した。新歓トラの感じからしても自分はつりにくい体質だと思っていたからショックだった。それとともに七ヶ浜への不安が大きくなった。予選当日まで自分がどうしたらつらないかということだけを考え、念入りにレースのペース配分などのシミュレーションをして当日を迎えた。

 当日は朝早くからの集合だったがとても目覚めが良く、スッキリした気分で迎えられた。会場に着き、ウォーミングアップを始めたがここで難しいと思ったのはスイムのアップである。当日は気温があまり高くなく、入水チェックからレーススタートまで割と時間があり体を冷やさないようにすることが大変だった。できるだけ体を叩いたり降ったりして冷えないようにした。

 いよいよレースがスタート。スイムは1.5kmもあるため最初は様子を見て入ろうと思っていたが周りのペースが速く、そんなことを考えている余裕はなかった。1周目はコースもよく分からず恐ろしく長く感じた。それでも上がった時は前に同じウェーブの赤帽子は見えず、少し安心した。2周目はコースも分かっていたのでテンポよくいい感じで泳げたと思う。スイムから上がりトランジットを終えるまでに2人に抜かされたが、焦ることなくバイクはスタートできた。

 おしんではバイクを踏みすぎたためつってしまったと考え今回は無理をせず、足を残すことを意識しながらその中で頑張るようにした。先輩に何人にも抜かされたが不思議と焦りはなく、3周ほぼ同じペースで刻めたので良かった。部内8位だと予想していたスプリットも部内7位で、多少気持ちに余裕を持ってランを迎えられた。

七ヶ浜は坂が激しく足への負担も大きいと思ったので上りはテンポを上げて、下りは体重に身をまかせるように意識して走った。走ってる途中はつることが怖くてボーダー内にはいたがなかなか通過を確信できず、早くゴールが見えて欲しいとずっと願いながら走っていた。

フィニッシュは12位。この予選は確実に通過することを1番に考えていたので目標を達成できて本当に良かったと思う。達成感に浸っていたいところだが、今回で陸の弱さは明らかになってしまった。インカレまであまり時間があるわけではないが、自分の実力を把握した上で無理をしないように、しかしその中で集中力を高めて練習に取り組んでいきたいと思う。

インカレでの目標はまず得意のスイムを生かしてファーストパックに入り、バイクで千切れないことである。また、当日はかなり暑くなることが予想されるため暑さ対策をしっかりとやりランで潰れずに走りきることを目標としたいと思う。これを達成できれば順位も自然とついてくると思うので頑張りたい。また、本気で団体メンバー入りも狙っていきたい。

,p>  応援していただいた皆さんありがとうございました。今後とも応援よろしくお願いします。この強いとんとらが更に強くなるよう頑張っていきます。

 

文責:遠藤 一馬

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