top of page

とんスポ

192号:日本選手権

2017年 11月 17日 発行

 この度、国内最大の大会である日本トライアスロン選手権(以下:日本選手権)に東北ブロックの代表として出場してきた。この予選会となった、みなと酒田トライアスロンおしんレースでは後輩の佐山にボロ負けしていたが認定記録会のスイムで記録を残していたためありがたい事に選出していただいた。
   ここ数年、東北ブロックの代表はバイクでラップされ完走できないという厳しい状況だったのでなんとしても最低限完走だけは死守したいと思いレースまでの日々を過ごしていた。インカレでスイム力がないことを実感していたので、2週間前くらいからはとにかくスイムの回数を増やしてバイクも千切れない程度の実力まで仕上げていくことを意識して練習した。
   前日の競技説明会や、当日のバイクチェックなど他の大会とは比べ物にならない程しっかりしていて既にレベルの高さを実感していた。また、お台場は3年連続の雨。しかも低気温。女子のレースを見ててもコーナーでの落車が相次ぎ、環境的にもなかなか厳しい状況でのレースになることは予想できた。そうこうしている間に入水チェックの時間に。水温は20度あるかないかくらいで恐ろしく寒かったためウエットスーツを着てのウォーミングアップ。しかし、ここで事故が起こる。スタートの練習をしていたら岩で足の裏を切ってしまい出血してしまった。前日の競技説明会で「岩がたくさんあって危ないので気をつけてください」と言われていたのに、やっちゃったな…と思った。幸いにもすぐに応援の方にテープを持ってきてもらいスタートラインに立つことができた。レースが始まってしまえば、足の裏が気になることは無かった。

   レースについて軽く書いていこうと思う。
   まずスイムではくっきりと集団に別れていることが泳いでいても分かった。周りに人がたくさんいることはとても安心感があったが皆バトルがかなり激しい。スピードよりもバトルで疲れたという感じだった。そのままの集団でバイクへ。
   運がいいことに周りには予想以上に人がいてバイクスタート時から大集団になった。雨で滑らないようにするため名が知れたトップ選手ですら折り返しやコーナーの前では結構な減速をしていた。スピード自体は速くなく、むしろ全然回ってないという感じだったので立ち上がりできつくないよう、出来るだけ前の方にいるように意識した。とはいえ、1周の中に90度カーブ6回、180度ターン1回を8周回やるため立ち上がりで徐々に筋肉に疲労が蓄積され、途中でふくらはぎを軽く攣ってしまった。雨はいつまで経っても止む気配はなく、やはり過酷なレースだなと思った。バイクに乗ってるときは完走は余裕だ、と思っていたが結局ランに移れたのは自分達の集団と数名といった感じだった。
   ランに入るときには身体は冷え切っていてまずは身体を温める事から始めた。身体が温めるまでに1周ほどかかったが、そこからは調子良く走れた。しかしなにより最後尾のバイクが想像以上に近くて驚いた。また、特にランは応援が直で聞こえてきて大きな力になった。明らかに自分より上の実力の人を抜かすこともありかなり気持ちの良いものだった。ラストスパートでも一人抜かし目標であったランラップ36分台でゴール(36:59)。順位も26位と、日本のトップ選手60人の中での順位であるから自分の中では大変満足できるものであった。

   今回のレースは部員の皆さんが自走で応援に駆けつけてくださり、レース前には名前とメッセージが書かれた横断幕をプレゼントしていただいた。こんなにも多くの人に自分一人が応援されるレースは初めてだったのでなんとしてもいいレース、いい結果を皆に見せたいと思っていた。結果的にそれができて良かったと思う。このような貴重な経験をさせていただき、本当に誇りに思うし今後に活かしていきたい。

文責遠藤一馬

bottom of page