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とんスポ

第170号:つくばマラソン

2014 年 12月 13日 発行

ランをどうにかしたい。今までの練習に加え、マラソンをやると決めて練習すれば、ランに繋がるんじゃないだろうか。 
というもっともらしい考えはほとんどなく、折角トライアスロンやってるなら1回くらいは出てみたいな、くらいの思いで6月末のエントリー合戦を制し、11月の筑波に乗り込んだ。ランが得意でないことは百も承知だったが、新潟の100kmマラソンの応援がてら田頭さんからアドバイスを頂いたり、そこそこのペースで複数回の25km走ができていたのでそこそこの自信はあった。未知の世界である、いわゆる“30kmの壁”とやらに怯えつつ、1週間前に崩した体調の不安を抱えながらも、まずは3時間半を確実に切ることを目標とした。

当日朝は淡々と、トイレなどに困ることもなく9時30分のスタートへ。 
申告タイム順にA~Hまであるスタートブロックのうち、志野さんはB、自分と山本はDから。早く志野さんに追いつこうと前へ行きたがってうずうずしている山本に釣られて序盤から飛ばすと後半に響くだろうと思い、スタート前に早くも山本と分かれた。しかし、これが大きな失敗だったと気付くのにそう時間はかからなかった。 
『人が多い』 
この一言に尽きる。そう、既に前には5000人の人の壁。Dブロックは3時間30分前後が予想タイムの人が集まっているはずなのだが、最初の1キロは5’30。まずは4’50/km、せめて5’00/kmは切りたいという予定だったがいきなり狂わされる。こうなると知っていれば山本についていったのに、と思いつつ隙間を見つけては抜いていき、予定のペースに戻せたのは5km過ぎ。既に予定より3分近く遅い。仕方なく焦らずに1キロあたり2、3秒ずつ取り返す。 


朝から暖かく早々にアームウォーマーを外し、次第に大きく見えてくる筑波山を眺めながら順調に10km、15kmと、少しずつペースを上げながら通過。この頃には予定の1分半遅れまで取り戻せていた。19km過ぎ、先に折り返してすれ違う選手たちの中に並んで走る志野さんと山本を見つけ、声を掛け互いを確認。20km過ぎの折り返し地点では眞野さんを発見。ここでは立ち止まって記念撮影。他の沿道の人たちにも笑われ、自分でも何してるんだろうと思っていたが、そこはご愛嬌。中間点では手元の時計で1時間39分、思いの外余裕があったので、試しにと4’10/km近くまで上げたが、自己最長だった26km辺りでこれを続けるのは困難と判断、順調な場合にと考えていた3時間10分の目標を放棄し、3時間20分に切り替え4’20~4’30/kmでしばらく推移。29km辺りの噂のおしるこで一息つくと、一旦道幅が狭くなって思うように進めなくなったが、これがいい休憩になったのか、再び広くなってからは4’20/kmをキープ。35km地点で再び眞野さんを発見。さすがにもう立ち止まらなかった。あれっ、30km過ぎてた。と気付いたがそれどころではない。いよいよ残り5kmになると、さすがに脚にきていたようだ。3時間20分も安全圏に入り安心してしまったのか4’40、4’45/kmと次第に落ちていき、最後の坂は合宿で何度も走っていたのにまるで反り立つ壁のよう。なんとか越えると遂にゴール。トライアスロンとは一味違う感動、達成感だった。

正式記録3:18’28、ネットタイム3:15’40、1165位。あと54人抜いていればぞろ目で来年の招待を頂けたのに…。2人には負けたが後半で離されなかったし、目標は達成。そして何よりも楽しかった。終始1人だったのは少し寂しかったが、それでも楽しかった。もう一度言う、楽しかった。 


今回は上手くいったのか、それともおしるこのおかげか30kmの壁にはぶつからなかったが、終始人の壁と、最後は自分という壁にぶつかった、というところだろうか。1回くらいは、と思っていたが、また挑戦したい、そう思わせるものだった。次の機会にはより入念な準備と、少し背伸びした申告タイムで臨み、そしてやはり楽しむことを大切に、サブ3も目指して頑張ります。

文責:安倍 築

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