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とんスポ

第165号:東北学生選手権 七ヶ浜大会

2014 年 8月 16日 発行

 7月6日、東北地区のインカレ予選が七ヶ浜で行われた。インカレに行きたい気持ちはあったけど、今の自分の実力があまりにボーダーぎりぎりだったので、あまり気負いはしないようにと楽しむことだけを考えていた。そうやっていつも通り試合当日を迎え、いつも通りレースの準備をした。唯一いつもと違うものがあったとすれば、応援団が駆けつけてくださったことだ。迫力ある演舞を前に、やはりいつもと違う予選の重みを感じた。

 天候は晴れ、気温水温ともに高く絶好のトライアスロン日よりのなか、「ぷお~ん」という音とともにレースが始まった。学生のみのウェーブのためあまりバトルせずに、自分的には順調に泳げてた。手応えを感じながらスイムを終えたが、まねさんから教えてもらったタイムと順位を聞いて愕然とした。スイム苦手な自分がボーダー付近で上がれるとはおもってなかったけど、それでも順位が離れすぎてると思った。しかし七ヶ浜は陸がものをいうコースである。まだ希望はあると思ってバイクに乗った。バイクとランは1本道を折り返すため、今の自分の位置を確認することができる。順調というわけではなかったが、まだ可能性があることがわかり、頑張ってこいだ。応援団やまねさん、せんぱいがたの応援がすごくちからになった。それでも何人かのとんとらのひとに抜かれた。最近バイクがはやくなってきたと思っていた分、すごく悔しかった。なんの手応えもないいま、バイクを終え、ランにはいった。ラン入るときに22番といわれ、またまた愕然としたが、ランは去年自分が走ったことのあるコース。他の人とは経験が違うという変な自信をもって走った。坂がほんとにきつく、いつもなら歩こうかなと考えてしまうけど、今回は全くそんな気がしなかった。たぶんそれだけ勝ちたかったのだと思う。いつも通り気負いせずにとか考えていたけど、やっぱりそうはいかない。ただただ前をおった。そして「藤田ボーダーだよ!たぶん」という声がきこえた。たぶんかよという気持ちとともに、インカレが今目の前にあると考えると、走りながらゾッとした。そしてゴール直前、なぜか去年ボーダーマンだった井村さんのとんスポのコメントを思い出した。自分でいいのか。まさにその気持ちだった。ましてやホントに予選を通ったのかもわからない。すごくあやふやな気持ちのまま、ゴールへ向かった。その時先にゴールしてた安倍が笑顔で自分に叫んでるのがみえた。なんて言ってたか覚えてない。でもその笑顔に「これでいいんだ」という気持ちになれた。ゴールの瞬間はとても幸せだった。トライアスロンってめっちゃ楽しいなと素直に思った。ゴールして1番に川口がかけよってくれた。そのあともたくさんの同期の人からおめでとうと言ってもらえた。すごく嬉しかった。

 確かに自分は来年もインカレを狙える。ランコースに助けられて運よく自分が出ることはとんとらにとって良くないことかもしれない。でも同期の人達をみて迷いはなくなった。自分の出場を喜んでくれる人達がいる。だから29代から3人目として自分も出場しようと思った。そして自分達の成長を見せたいと思った。そのためにはやっぱりインカレ完走は必須である。厳しいかもしれないけど自分を信じてこれから頑張っていこうと思う。

 最後に応援してくださった、先輩方、まねさん、応援団の方々本当にありがとうございました。今まで支えてくださった分、それに見合う姿を見せれられるように努力していきます。

文責:藤田 祐輝

 七ヶ浜トライアスロンは、一年生にとっては初の公式戦であった。また、インカレにつながる重要なポイントでもあったため、遠征初日はずっと、どこか張りつめた空気が漂っていたように思われた。

 会場へ向かう車内は比較的和やかな空気で、和気あいあいと会話を楽しんでいたが、石川さんチョイスで流されるポルノグラフィティの「ミュージックアワー」をはじめとする曲は、少なからず我々を鼓舞し、これから向かう地を思い出させ気が引き締められた。

 その日は大きなトラブルなく過ごせたものの、レースを翌日に控えた部の雰囲気はやはりピリピリしたものであった。自分も調整を終え気持ちを高めていたため少なからず緊張していた。そんな中マネージャーさん方から選手に配られた手作りのミサンガは、部内にひと時の、いつも通りの空気をもたらした。ミサンガに込められたメッセージや「どう使うか」などの話題で盛り上がった。自分はミサンガに「大きなトラブルがないように」と祈った。

 レース当日は雨も降らず、暑すぎず、良い天候に恵まれたと思う。しかし初めてのオリンピックディスタンスのレースであることや、初めての海でのスイムなど、初めてづくしで臨む僕にとっては、良い天候とは裏腹に強い不安が勝っていた。応援団の力強い激励で勇気は出たものの、不安を完全に拭い去ることはできなかった。

 緊張が最高潮に達した状態で、ついにスイムスタート。案の定、緊張からくる息切れと海という慣れぬ環境によって、序盤は全く泳げなかった。先頭集団が離れてしまい焦る。

 しかし、ここは自分のペースを維持すべきだろうと判断し、ブイも利用するなどしてなんとか体を慣らした。おかげで一周回後半以降は体調が安定し、自分なりのハイペースを維持しスイムアップできた。

 トランジット終了後のバイクの走りだしで、僕は完走を確信した。手応えが出てきたのだ。先輩方に何度もバイクで抜かされたが、焦ることなくペースを維持するという作戦が上手くいき、ランに体力を残したままつなぐことに成功した。

 バイクからランへのつなぎは上手くいったものの、その後の七ヶ浜のランコースには苦しめられた。アップダウンが激しく、容赦無く体力が奪われる中、浅野や石川さんに抜きさられ、春海や池谷にも大きく差を詰められた。

 総合的には初めての公式戦にしては上手く完走できた上、ミサンガのおかげもあってか大きなトラブルもなく終えられたため良かったのではないかと思ったが、同時に全体的な体力レベルの低さも痛感した。

 今までの人生での夏とはまた違った時間を経験できるような気がした。この夏は例年より騒々しい日が続きそうだ。

文責:中野 瞭太

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