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とんスポ

第163号:長井トライアスロン

2014 年 8月 5日 発行

長井トライアスロン。それは新歓トラで私たち一年生がお世話になった長井鉄人会さんが主催している地方レースである。朝3時半に眠い目を擦りながら部室に集合し、長い一日が始まった。長井市に到着すると空を雲が覆っていた。
一年生は基本的にショートの部で出場するとのことだったが、自分は少しでも長い距離のレースに慣れる目的でレギュラーの部で出場することにしていた。レギュラーの部にはとんとらの先輩方や同期の中野や熊谷もいる。特に中野は先週の七ケ浜のインカレ予選で約30秒の差で負けていたので、リベンジのいい機会だと闘争心を燃やしていた。
大の苦手であるスイムは中学校のプールで1km。同じコースにはスイマーである中野、オリンピックの代表である西内さん、高校生トライアスリートの小林くんなどレベルの高い選手が揃っていた。みんなの邪魔になるのではないか、バトルになって潰されてしまうのではないか、と不安でどうしようもなかった。それでもウェットスーツを着ているのだから大丈夫だと自分に言い聞かせてついにスタートした。始まってみるとやはり自分はコースの障害物と化し、他の人が進んでいるんじゃなく自分が後退しているんじゃないか?とさえ思った。抜かれるために壁際によったところ壁で足を擦りむいてしまった。応援の安倍さんがビデオ撮影していたが、こんな醜態を撮って欲しくないと思った。
バイクは1周10kmのコースを5周回の50km。バイクは自分の中では得意種目なので、かんばってスイムの遅れを取り戻そうと思っていた。登りでスピードが落ちるおじさんたちを抜いて気分がよかった。パワージェル入りのまずいスポドリをがんばって飲み下した。三周目、ショートで出場している同期の淺野と合流した。負けるわけにはいかないとばかりにスピードをあげた。が、それもつかの間、今度はとんとらの創始者瑞樹さんに抜かれてしまった。あっという間に視界からきえてしまった。50歳になったというのになんて元気な人なんだと思った。ところが次の周の登りで今度は瑞樹さんを抜き返すことができた。つかの間ではあったけれど、尊敬する大先輩に近づけたと思いとてもうれしかった。
トランジットを抜けてランに入ると1km先にグリーンのトライスーツが見えた。「(中野)瞭太だ!」と思いおいつこうとするも脇腹が痛い。なんとか体を引きずるように瞭太を追い越し、あとは必死に逃げるだけだった。途中でレース中に知り合ったおじさんに「遅いぞ!」と叱咤激励され、「自分は立ち止まってるくせに…」と苦笑しながらもなんとかゴールにたどり着いた。満足できるランの内容ではなかったけれど、とりあえずリベンジを果たせてよかった。ゴール後スイカとさくらんぼが振る舞われた。デリシャス。食べ過ぎてお腹が痛くなった。
レセプションでは、安倍さん、石川さんとともに獅子舞のなかに入るという滅多にない体験をした。獅子舞のなかはやたら蒸し暑かった。他にも抽選でお米をもらったり、平松がオークションでランシューを600円で落としたりと、レース以外でもいろいろお楽しみがあった。淺野と池谷はショートで表彰されていて、自分もショートででていればなあ…と少しうらやましかった。
長井鉄人会さんのおかげで30回目の開催となった長井トライアスロン。とても充実したレースになった。いまだ若さ衰えない長井鉄人会の方々の努力に感謝したい。仕切りの石川さん、応援の方々にも感謝したい。今年は金欠のため応援だった太郎が来年はリレーで出ようと言っている。彼はランを担当してくれるらしい…。だ…いや大丈夫。これは自分がスイム担当になるしかない。特にトライアスロンをやるにあたってスイムは避けられない課題だ。苦手だからといって目をそらす訳にはいかないのだ。カエルスーツに恥じないくらい練習して泳げるようになろう。来年も長井に行こう。レースができるのも当たり前のことではない、これからはレースに出れるということ対してに感謝の気持ちを忘れないようにしよう。そう学んだ今回のレースであった。

文責:山本 春海

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