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とんスポ

193号:スプリントトライアスロン

今期最後のトライアスロンとなるはずの日本学生スプリントトライアスロン選手権は、10月22日に行われるはずだった。インカレの応援をしてから3種目すべての練習にさらに熱が入り、練習の成果を発揮するいい機会になるはずだった。しかし、そんな気持ちとは裏腹に数日前から予報されていた通り前日から雨が降り続けていた。遊水池は増水し、バイクコースの路面は濡れていて、ランコースは冠水している状態で「中止」が頭を過ぎった。惰性で準備を進め、朝を迎えた。雨は激しさを増していた。「中止」と思い込んでいたら開会式でアクアスロンに変更のアナウンスがあった。ほっとした。バイクの落車が怖かった。初めてのレースでの集団走。それが無くなり安心して、不思議と闘志が湧いてきた。着替えを始めたが、雨は冷たく、体が震え始めた。ホットクリームを塗ってしばらくすると、皮膚が焼けるような感じがした。どうなってるのだろう面白いなと思った。そのくらい心に余裕があった。レースが始まった。1往復のスイムコース。往路は集団の中心にいて抜け出せずかなり辛かった。でも今回はスプリント距離なんだと思いペースを上げて千切った。日頃、ヘッドアップをよくしていたためかなり楽に進路を真っ直ぐにしながら泳ぐことができた。ここまでは順調だった。スイムアップの順位に驚き舞い上がって、トランジットにアンクルバンドを置いてきてしまったのだ。気づいた頃には2kmくらい走った、時すでに遅し。絶望したが、うまく走れていたのでゴールにいるマネージャーさんに記録をとってもらえればいいやと思っていた。人を追い抜くたびに他人のアングルバンドに目がいく。羨ましいなぁと思いつつ走りきった。案の定公式記録はDNFになってしまって、悔しい気持ちもあった。しかし達成感、満足感がそれを上回った。とは言うもののあってはならないし、特に七ヶ浜などでは絶対にしてはいけないとも感じた。得るものの多いレースになった。反省したり教訓にしたりうまく生かし、より良い選手になろうと思う。

祷雄太​

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