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とんスポ

184号:日本学生トライアスロン選手権

観音寺大会

2016 年 9月 14日 発行

2016年のインカレは、当時主将であった僕にとってとても大きな意味を持っていて、それだけにレース後時間がたった今も自分の気持ちを表現するのは難しいことです。

 

 一年前に掲げた「優勝旗奪還」という目標。その目標の大きさにプレッシャーを感じて押しつぶされそうな時もありました。それでも勝つことへの執着心を強く持ち続けられたのは、目標に向かって共に努力をしてくれる先輩・後輩、そして同期のおかげでした。人間いくら強くても、体・心共に疲弊して動きたくなくなってしまうこともあります。そんな時に声をかけてくれる仲間がいたからこそ、この仲間たちと一緒に最高の結果を残したいという思いが強くなりました。

 

 一年間で苦手なスイムも並くらいには成長し、去年は完走ギリギリだったインカレの地観音寺に、今年は上位で勝負できるという期待を持って向かうことができました。レース前は意外と精神的に余裕があり、名物うどんを堪能しながら、「余裕を持てるのもやり残したことがないからかな」なんて思うと、今までやってきたことに悔いはありませんでした。

 

 レース前に名前を呼ばれたのに、列の後ろの方にいたためにすぐに出ていけないというハプニングもありましたが、集中してスタートラインに立てました。「ぷおーん」という音がなったら、やるべきことはいつものレースと同じだと、落ち着いて泳ぐことができました。スイムの手応えはとてもよく、スイムアップしたらけっこう前に志野さんが見えたため「志野さんはえー」と思いながらバイクに乗りました。

 

 バイクは得意種目で、かつ自分ぐらいの順位にバイクが速い人が集まると思っていたので、いい感じに前を回収できるかなと思っていました。しかしパックの牽引に協力的な人が少なく、体力を消耗するばかりでスピードが出ませんでした。そんな時に周回コースの中間地点あたりにとんとらの応援がたくさんいるのが見えて、「一年生の時はここで応援したなあ」なんて思い出しながら、もっと頑張らなきゃと思いました。それでも結局たくさんの人に回収されて、「スイムで頑張ったのになあ」と少し悔しい気持ちになりました。

 

 バイクで頑張りすぎたせいなのか、暑さのせいなのか、バイクを降りると走るのがいつもより辛く感じました。そのうえランの1周目終わりには、1分間もペナルティボックスに入らなければなりませんでした。エントリーが遅れてしまったことによるベナルティですが、むしろそのおかげで息を整えることができました。2、3、4周目はとても快調に走れて、東北大3番手だった僕の個人の順位も、団体の順位も期待したほどではないということはわかっていましたが、ゴール前でダッシュしたら3つ順位が上がりました。

 

 表彰式で「第5位 東北大学」と呼ばれた時には、一年間描いてきた目標とはだいぶ離れていましたが、それでもとても誇らしく、嬉しい気持ちになりました。最後にみんなで記念撮影をして、そのあと同期みんなで記念撮影をしました。その時、「最高の結果は出せなかったけれど、最高のチームで最高の仲間に出会えてよかったなあ」と思いました。

 

 この一年間とんとらを応援して下さり、本当にありがとうございました。

文責:山本春海

夏が終わってしまいました。ああ、楽しかった!

 

「5位、東北大学!」と呼ばれた瞬間、喜びよりも悔しさよりもほっとして、表彰台に向かう3人の選手を見たら不覚にも涙が出てきました。表彰台に乗るのは、豊富な経験と上を目指し続ける貪欲な姿勢で幹部を退いた後も後輩たちを引っ張り続けてくださった志野さん、圧倒的な速さを持ちながらまだまだ伸びしろがたっぷりありとんとらの希望を担うエース一馬、そしてこの一年間誰よりもとんとらに一生懸命で今年誰もが表彰台に乗ってほしいと願った主将山本。入賞から遠ざかっていた過去二年間の悔しさと、この結果に満足はできずまだまだ上を目指せるという希望と、一年間部員全員で一つになって戦ってきたんだという誇りがすべてつまっていました。

インカレ団体優勝を目指して死に物狂いで努力を重ねてきた一年間を思うと、満足できない悔しい結果です。ただ、この結果は決して残念なものではないと思います。次へのステップとなるだろう誇らしい結果でした。

 

嬉しかったことがあります。幹部として迎える最後のレースで初めて、応援が選手の力になっているんじゃないかと思えたことです。私はランコースの周回終わりに近い公園の出口あたりで今年も計測していました。ランコースは一番選手に声を届けやすく、またいろんなドラマも垣間見れるので好きです。これまでだったらタイムや順位という情報を伝えて、あとはただがむしゃらにファイトと声をかけ続けるだけでしたが、今年は最終周、ゴールへと向かう選手に「一秒でも速く!」と声をかけました。するとちょっと速くなった(ようにみえる)選手や、うなずいてくれる選手がいて、これが応援するということなのかな、と思いました。伝わった。かも。普段の練習やレース前に選手を鼓舞することが私にできる最大の応援であり、レースが始まったらあとは信じて待っていることしかできないと半ば本気で考えていましたが、レース中の応援も選手に大きな力を与えるんだなあと三年目にして初めて思えました。嬉しかったです。

 

思うことはいっぱいあるけれど、楽しかった!とんとらにどっぷりつかりこんで迎えたインカレは、かけがえのないときだった!

素敵な先輩、頼もしい後輩、そして大好きな同期に囲まれて、幸せでした!

 

最後に、観音寺まで足を運んでくださり何より心強い応援をしてくださったOBのみなさま、遠くから応援してくださったOBのみなさま、30代を支えてくださったたくさんの方々、ありがとうございました。いままでとこれからでは、とんとらへの関わり方が大きく変化しますが、とんとらに関わりを持ち続けたいので、微力ながら部を支えていこうと思います。これからもよろしくお願いいたします。

 

インカレのとんスポ執筆を頼まれたものの、Facebookで当日のことは振り返ってしまったし、どんなことを書けばいいものか…と悩んでいたら、「自分のことを書いたら」と主将の一声があったので、それに従うことにいたしました。

そういえば、二年前の新歓トラのとんスポで、私は山本のことを「強くなるだろうな」と書いていたんですよ。自慢です。

 

文責:中島綾香

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